『マンキュー経済学 ミクロ編[第3版]』を分かりやすく説明する。Part7
こんにちは。
今日もさっそくやってみます。
昨日の続きからやっていきます。
第7章 消費者、生産者、市場の効率性
今までの章では、市場経済において需要と供給の作用がどのように材やサービスの価格と数量を決めるか、すなわち規範的な分析が主であった。
この章では実証的な分析、資源配分が経済的福祉に与える影響を研究する分野(厚生経済学)のトピックについて考えてみる。
消費者余剰
消費者余剰とは、ある財に対して買い手が支払っても良いと思っている金額から、実際に買い手が支払った金額を差し引いたもので、買い手が市場に参加することから得られる便益を測る尺度である。
例えば、あるアーティストのCDに対して、800円支払っても良いと思っている。しかし実際には650円で売っていたので購入した。この場合の消費者余剰は150円である。
ある財に対してそれぞれの買い手が支払っても良いと思っている最高額を支払許容額という。
消費者余剰を求めるには、需要曲線よりも下で価格よりも上の部分の面積を計算する。
生産者余剰
生産者余剰とは、売り手に支払われた金額から生産に要する費用を差し引いたもので、生産者が市場に参加することから得られる便益を測る尺度である。
生産者余剰を求めるには、価格よりも下で供給曲線よりも上の部分の面積を計算する。
総余剰
自由市場によって決定された資源配分が望ましいものかどうかを判断するための方法として、総余剰を測る方法がある。総余剰とは消費者余剰と生産者余剰の合計である。
消費者余剰=買い手にとっての価値-買い手が支払った金額
生産者余剰=売り手が受け取った金額-売り手の費用
なので、総余剰は上の2つを合計したものなので、
総余剰=(買い手にとっての価値-買い手が支払った金額)+(売り手が受け取った金額-売り手の費用)
買い手が支払った金額と売り手が受け取った金額は等しいので、
総余剰=買い手にとっての価値-売り手の費用
ある資源配分が総余剰を最大化している時、その配分は効率的であるという。
需要と供給の均衡は、消費者余剰と生産者余剰の合計を最大にする。市場の見えざる手により、売り手と買い手は資源を効率的に配分する。
資源が効率的に配分されない時もある
以上に示したように、市場のそれぞれの売り手や買い手が自分自身の厚生にしか関心がなくても、見えざる手によって 需要と供給の作用は資源を効率的に配分する。
しかし、市場支配力や外部性などの市場の失敗が存在すると、市場では資源が効率的に配分されない。
市場支配力とは、1人の売り手や買い手(あるいは少数の売り手や買い手)が市場価格をコントロールする能力のこと。
外部性とは、売り手と買い手の意思決定が市場にまったく参加していない人々にも影響を与える副作用のこと。
市場の失敗とは、規制されていない市場が資源を効率的に配分できないこと。
市場の失敗について、第7原理にも登場しているのでよかったら見てみてください。
本日はここまで。それではまた今度。