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『マンキュー経済学 ミクロ編[第3版]』を分かりやすく説明する。Part1

こんにちは。

 

さっそくやってみます。

 

第Ⅰ部 インストラクションからやっていきます。

 

 

第1章 経済学の十大原理

そもそも経済の意味について考えてみます。

経済の語源は、もともと中国にあった「經世濟民(けいせいさいみん)」という言葉から転用したもので、明治以降に日本で作られた経世済民(けいせいさいみん)」を省略した言葉です。「世を治めて民を救う」という意味です。

 

 

経済学…社会が希少な資源をいかに管理するのかを研究する学問です。

→経済学者は、①社会で人々がどのように意思決定するのか、②社会の人々はどのように影響しあうのか、③経済は全体としてどのように動いているのか、の3つを研究します。

 

経済学とは、どのような学問であるか把握するための十大原理を、以上の①~③に分けて説明していく。

 

①社会での人々の意思決定に関する原理

〇第1原理:人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している

トレードオフとは自分の好きな何かを得るためには、たいてい別の何か好きなものを諦めなければならないということで、意思決定とは一つの目標と別の目標との間のトレードオフを意味します。

たとえば、学生は自分の持っている時間をゲームに費やしてしまうと好きな女の子とデートする時間を諦めることになりますよね(笑)

社会も効率(性)と公平(性)との間のトレードオフにも直面しています。効率とは、「社会が希少な資源から最大限のものを得ている状態」で、公平とは「資源から獲得したものが、社会の構成員の間にバランスよく分配されていること」です。たとえば、公平性に照らして富裕層から貧困層へ政府が所得を再分配すると、貧困層の労働へのインセンティブ(誘因)を弱めてしまいます。しかし、貧困層は無視されるべきではないです。

 

〇第2原理:あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である

人々が意思決定する際に、さまざまな行動の費用と便益を比較することが必要です。あるものを獲得するために放棄したもの(費用)を、そのものの機会費用といいます。これは見えない形でかかる費用で、「ある行動をとった時、その行動によって得た利益と違う行動をしていれば、手に入れられていたであろう最大の利益の差額」のことです。

 

〇第3原理:合理的な人々は限界原理に基づいて考える

経済学者は通常、人々は合理的であると想定していて、合理的な人々は限界的な便益と限界的な費用とを比較して選択をしています。合理的な人々とは自分の経済的利益を最大化するよう意思決定する人で、経済学における「限界」とは増加分のこと。限界的な便益とは財を1つ買うことで得られる満足度を金銭的な大きさに置き直したもので、限界的な費用とは1つだけ余計にその財を購入する時にかかる費用の増加分のことです。

 

〇第4原理:人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する

インセンティブ(誘因)とは、懲罰や報酬のように、人々に何らかの行動を促す要因のことです。

たとえば、シートベルトを義務づけた法律は人々にシートベルトをさせたり、賃金を支払うことでアルバイトをさせたりといったことですね。

 

②人々はどのように影響しあうのか

〇第5原理:交易(取引)はすべての人々をより豊かにする

他の人々と取引することにより、各自の得意分野の専門家になることを可能にし、はるかに多様な財・サービスをより安く買えるようになり、人々を豊かにしています。

人々の欲望を充足させるもののうち、財とは有形物で、サービスとは無形物です。

 

〇第6原理:通常、市場は経済活動を組織する良策である。

市場とは人が集まり商いを行う場所であり、市場経済では人はそれぞれ己の利益のために動こうとするが、市場という目に見えない調整機能が働いて、 世の中の経済はうまく回る。これを1776年に出版された「国富論」において、アダム・スミスはまるで「見えざる手」によって導かれているかのように、望ましい結果に到達していると表しました。

 

〇第7原理:政府が市場のもたらす成果を改善できることもある

では、その見えざる手があるのに政府が必要なのでしょうか。

理由は2つあり、1つ目は市場経済にとって重要な制度を政府が維持し、ルールを作るためです。たとえば、警察や裁判所が犯罪を取り締まったりや権利を保護したりするものです。

2つ目は見えざる手は、強力だが全能ではないということです。効率性という観点で言うと、市場が自分の力で資源を効率的に配分するのに失敗することがある(市場の失敗)。市場の失敗を引き起こす原因に外部性市場支配力などがあり、これらが存在する場合、政府による適切な公共政策によって経済効率を高めることができます。公平性の観点で言うと政府の公共政策によって、経済的福祉のより平等な分配を実現させます。

外部性…ある人の行動が周囲の人の経済的な厚生(人間の生活を健康な豊かなものにするもの)に与える影響

  市場支配力…小集団が市場価格に対して実質的に持っている影響力

 

③経済は全体としてどのように動いているか

〇第8原理:一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している

国や時代によって生活水準に大きな格差や変化は各国の生産性の違いによるものです。生産性とは、1人の労働者が単位時間あたりに生産する財・サービスの量のことです。生産性の高い労働者が多い国ではほとんどの人が高い生活水準を得ることができるし、生産性の低い労働者が多い国ではより低い生活水準を甘受しなければいけないということです。

 

〇第9原理:政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する

政府がその国の貨幣供給量を大幅に増やすと、貨幣の価値は下落する。そうすると貨幣と交換する財・サービスの価格は上昇するということである。このように価格が全体として上昇することをインフレーション(インフレ)といいます。その逆がデフレーション(デフレ)といいます。

 

〇第10原理:社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している

貨幣量の増大は、全体としての支出を刺激し、財・サービスへの需要を増大させる。

高い需要によって企業は価格を引き上げるが、その途中で雇用を増やし、財・サービスの生産を増大させる。

雇用の増加は、失業の減少をもたらす。

 

このようにインフレと失業の減少は表裏一体の関係ということです。

 

 

 

 

第1章のまとめ

経済学には基本的な考え方があり、多様なケースに適用することが可能な学問です。

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明日は第2章をまとめようかな。じゃあまた今度。