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『マンキュー経済学 ミクロ編[第3版]』を分かりやすく説明する。Part8

こんにちは。

 

今日もさっそくやってみます。

 

昨日の続きからやっていきます。

 

 

第8章 応用:課税の費用

税は現代社会に大きな影響を与える。第6章で税への課税が価格や販売量にどのような影響を及ぼすのか、また需要と供給の作用が税の負担を売り手と買い手にどのように分担させるのかをみた。

 

第6章の内容はこちらから。

 

pro-hero.hatenablog.com

 

この章では分析を拡張し、課税が厚生に与える影響、すなわち課税が市場の参加者の経済的福祉にどのような影響を及ぼすのかをみる。

 

政府の税収は、税の大きさ×時の販売量になるので、下の図の赤く塗りつぶしたところになる。

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税の有無による総余剰の変化

 

税がない時、ある時の消費者余剰、生産者余剰、総余剰について計算する。

第7章でやった通り計算していく。

第7章が分からない人はこちららから。

 

 

税がない時、

消費者余剰=買い手にとっての価値-買い手が支払った金額

生産者余剰=売り手が受け取った金額-売り手の費用

総余剰=買い手にとっての価値-売り手の費用

になるので、消費者余剰がA+B+C、生産者余剰がD+E+F、総余剰がA+B+C+D+E+Fになる。

 

税がある時、

消費者余剰は売り手が受け取った金額から供給曲線までの差なので下の図のFになる。

生産者余剰は需要曲線から買い手が支払った金額の差なので下の図のAになる。

税がある時の総余剰を計算するには、消費者余剰、生産者余剰、税収を足し合わせればいいので、A+B+D+Fになる。

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課税によって、消費者余剰はB+Cだけ減少し、生産者余剰はD+Eだけ減少し、税収はB+Dだけ増加する。

この3つを足し合わせるとC+Eだけ減少する。

このように税による売り手と買い手の損失(B+C+D+E)は政府の税収(B+D)を上回る

税(あるいは他の何らかの政策)が市場の成果を歪めることによって生じる総余剰の減少を死荷重と呼ぶ。死荷重の大きさはC+Eになる。

課税が死荷重を生む理由は、買い手の消費と売り手の生産を減少させ、総余剰を最大化する水準よりも市場規模を小さくするからである。

 

死荷重の決定

課税による死荷重の大きさは需要と供給の価格弾力性によって決まる。需要と供給の価格弾力性は、価格の変化に対してどのくらい需要量と供給量が変化するかを表す。

 

弾力性についての詳しい説明はこちらから。

 

pro-hero.hatenablog.com

 

 

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上の図で示されたように、税の大きさが同じ場合、需要と供給の価格弾力性が大きいほど、税の死荷重は大きくなる。

 

 

税の大きさの変化に伴う死荷重と税収の変化

市場の需要曲線と供給曲線を固定した場合、小さな税、中くらいの税、大きな税への変化によって、死荷重は需要曲線と供給曲線との間の三角形の面積になる。政府の税収は税の大きさと財の販売量の積である。

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上の図のPBは買い手の支払価格、PSは売り手の受取価格、Q1は税がない時の販売量、Q2は税がある時の販売量。

 

aの小さな税の時、小さな死荷重と小さな税収をもたらす。bの中くらいの税は大きな死荷重と大きな税収をもたらす。cの大きな税は大きな死荷重をもたらすが市場規模を非常に縮小させるので、小さな税収しかもたらさないことを示している。

dは税の大きさが大きくなるにつれて死荷重が増加することを示している。eは税収は最初のうちは増加するが、その後減少することを示している。eのこの曲線をラッファー曲線と呼ぶ。

 

 

 

今日はここまで。それではまた今度。