『マンキュー経済学 ミクロ編[第3版]』を分かりやすく説明する。Part4
こんにちは。
今日から「第Ⅱ部 市場はどのように機能するか」です。
なんかいよいよ経済学っぽくなってきましたね😂
さっそくいってみましょう。
第4章 市場における需要と供給の作用
市場とは
市場とは、一つ一つの財・サービスにおける売り手と買い手の集まりのことである。
競争市場とは、多くの売り手と買い手が存在していて、1人の売り手や買い手が市場価格に影響を及ぼさないような市場のこと。
本章では、市場が完全競争的だと想定する。この状態になるには2つの特徴を持ってなければならない。①販売されている財はすべてまったく同じ。②売り手と買い手が多数存在するので、市場価格に影響を及ぼすような単独の売り手も買い手も存在しない。
完全競争的社会において、売り手も買い手も市場で決まった価格を受け入れるしかないので、彼らは価格受容者(プライス・テイカー)と呼ばれる。
しかし、財やサービスのすべてが完全競争市場で販売されているわけではない。売り手が一つしか存在せず、その売り手が価格を決めている市場もある。そのような売り手のことを独占企業という。
需要とは
需要量とは、買い手が買いたいと思い、かつ買うことの出来る量のことである。財の価格が上昇すると財の需要量は減少し、価格が低下すると需要量は増加する。このように、価格と需要量との間の相関関係は、経済にあるほとんどの財について成立する。この関係を需要法則という。
そして、ある財の価格と需要量の関係を表す表(ひょう)を需要表と呼び、価格を縦軸、需要量を横軸にとったグラフのことを需要曲線という。
どの価格においても需要量を増やすような変化は需要曲線を右方にシフトさせることになり、需要の増大と呼ぶ。逆に、どの価格においても需要量を減らすような変化は需要曲線を左方にシフトさせることになり、需要の減少と呼ぶ。
需要曲線をシフトさせる要素は以下のようなものが挙げられる。
所得…所得が下がるとほとんどの財は需要が減少する。(※1)
関連する財の価格…例えばレッドブルの値段が半分になったらモンスターエナジーの需要は減少する。(※2)
嗜好(好み)…例えばタピオカが流行った時、需要が増大した。
期待(予想)…流行りが終わって値段が下がると予想した時、みんな買わなくなって需要は減少する。
買い手の数…消費者が増えると需要は増大する。
※1 所得が減少したときに需要が減少する財のことを正常財といい、所得が減少したときに需要が増大する財のことを劣等材という。劣等財として麦やジャガイモなどが挙げられる。所得が減少したとき、主食が米から麦飯になるなど。
※2 一つの財の価格が下落すると別の財への需要が減少するとき、その二つの財は代替財といい、一つの財の価格が下落すると別の財への需要が増大するとき、その二つの財は補完材であるという。代替財にはレッドブルとモンスターエナジー、ホットドッグとハンバーガーなどがある。補完材にはパンとバター、野球のボールとバットなどがある。
供給とは
供給量とは、売り手が売りたいと思いかつ売ることのできる量のことである。財の価格が上昇すると財の供給量は増加し、価格が下落すると供給量は減少する。このように、価格と供給量との間の相関関係は、経済にあるほとんどの財について成立する。この関係を供給法則という。
そして、ある財の価格と供給量の関係を表す表(ひょう)を需要表と呼び、価格を縦軸、供給量を横軸にとったグラフのことを供給曲線という。
どの価格においても供給量を増やすような変化は供給曲線を右方にシフトさせることになり、供給の増大と呼ぶ。逆に、どの価格においても供給量を減らすような変化は供給曲線を左方にシフトさせることになり、供給の減少と呼ぶ。
供給曲線をシフトさせる要素は以下のようなものが挙げられる。
投入価格…財を生産するための材料費や人件費が高くなると供給量は減少する。
技術…自動製造機などの技術開発が行われると供給量は増大する。
期待(予想)…これからヒットすると予想されるものの供給量は増大する。
売り手の数…売り手が減ると供給量は減少する。
需要と供給
需要曲線と供給曲線の交点のことを市場均衡点という。市場均衡点における価格を均衡価格、数量を均衡取引量という。均衡価格においては、買い手が買いたいと思うかつ買うことのできる財の量と、売り手が売りたいと思うかつ売ることのできる財の量とが、正確に釣り合っている。均衡価格は、市場清算価格(マーケット・クリアリング・プライス)と呼ばれることもある。
また、市場価格が均衡価格を上回る時、供給量が需要量を上回る。つまり、財が余っている(余剰)状態である。この余剰の状態を超過供給という。下の図のaの状態。
逆に、市場価格が均衡価格を下回る時、需要量が供給量を上回る。つまり、財が不足している状態である。この不足の状態を超過需要という。下の図のbの状態。
今日はこんな感じで。じゃあまた今度。