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『マンキュー経済学 ミクロ編[第3版]』を分かりやすく説明する。Part3

こんにちは。

 

今日もさっそくやってみます。

 

昨日の続きからやっていきます。

 

 

第3章 相互依存と交易(貿易)からの利益

この章は第1章の第十原理のうち、「第5原理:交易(取引)はすべての人々をより豊かにする」に関係してそうですね。

人々が財・サービスの供給を他の人々に依存することを選ぶのはなぜか。

農夫と牛飼がそれぞれ1日8時間働くとする。それぞれが牛肉とジャガイモを生産し、8時間の生産できる牛肉とジャガイモの量は以下の図。

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農夫は8時間で牛肉は8単位、ジャガイモは32単位、牛飼は8時間で24単位ジャガイモは48単位。これを生産可能性フロンティアで図示すると以下になる。

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たとえば、2人がA点とB点で示される組み合わせを選んだとしよう。(農夫が牛肉を4単位、ジャガイモを16単位。牛飼が牛肉を12単位、ジャガイモを24単位。)

 

ここで、農夫と牛飼が取引を行う取り決めをして、農夫が牛肉を0、ジャガイモ32、牛飼が牛肉を18、ジャガイモ12生産し、(それぞれC点、D点)牛肉を牛飼から農夫へ5単位、ジャガイモを農夫から牛飼へ15単位提供する。

また、生産したものを全て消費するとして、利益を数値で計算する。

すると、以下の図のようになる。

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上の図を見ると、たしかに取引によってお互いに利益があるが、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。

この例において、牛飼と農夫のどちらがジャガイモをより低い費用で生産できるのだろうか。

 

絶対優位とは

この場合、時間が費用となり、ジャガイモ1単位を生産するのに、農夫は15分かかり、牛飼は10分かかる。

農夫は8時間(480分)で32単位生産できるので、480÷32=15 つまり、農夫は15分でジャガイモを1単位生産できる。

牛飼は8時間(480分)で48単位生産できるので、480÷48=10 つまり、牛飼は10分でジャガイモを1単位生産できる。

つまり、時間で費用を測る限り、牛飼の方がジャガイモの生産する費用が低い。

このように、ある財を生産するときに、より少ない投入量しか必要としない生産者はその財の生産に関して絶対優位を持っているという。

 

比較優位とは

ジャガイモの生産費用を考えるのに、他に機会費用を考える方法がある。

機会費用とは第1章で説明しましたが、あるものを獲得するために放棄したもののこと

牛飼は、ジャガイモを8時間で48単位生産できるので1単位を10分で生産できる。また、牛肉を8時間(480分)で24単位を生産できるので10分で牛肉1/2単位(24÷48=1/2)生産することができる。つまり、牛飼のジャガイモ1単位に対する機会費用は牛肉1/2単位である。

一方、農夫は、ジャガイモを8時間で32単位生産できるので1単位を15分で生産できる。また、牛肉を8時間で8単位生産できるので、15分で牛肉1/4単位(8÷32=1/4)生産することができる。つまり、農夫のジャガイモ1単位に対する機会費用は牛肉1/4単位である

つまり、ある財を生産するのに他の財を少ししか放棄しない生産者は、その財の生産における機会費用が小さいことになり、その財の生産に関して比較優位を持つという。

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牛肉の機会費用は同様に以下のようになる。

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ひとつの財の機会費用はもうひとつの財の機会費用と逆数の関係にあるので、ひとつの財の機会費用が相対的に高い人は、必ずもうひとつの財に関して相対的に低い機会費用を持つ。

 

ここで、本題に戻るが交易による利益は、絶対優位ではなく、比較優位に基づくものである。各人が比較優位を持っている財の生産に特化すれば、経済の総生産は増加し、経済の規模が拡大し、すべての人の生活水準の向上に役立つ。

また、取引をする両者が利益を得るためには、取引の価格は両者の機会費用の中間になければならない。

この例で言えば牛肉の機会費用をジャガイモ2単位から4単位の間になければならない。

 

第3章のまとめはこんな感じです。なんか敬体と常体が混ざっちゃった。

じゃあまた今度。